見落とされがちな“裏側”に価値を生む
家づくりの計画で意識しやすいのはリビングやキッチンなどの大きな空間ですが、「テレビボードの裏側」に注目する人は多くありません。けれど、この“裏”を工夫することで、暮らしはぐっと豊かになります。
今回ご紹介するのは、テレビボード裏を活用した「隠れキッズスペース」。子育て世帯にとって役立つだけでなく、将来は別の用途に変えられる柔軟性も持つ、新しい空間提案です。
子どもにとっての秘密基地
テレビボードの裏に作られた小さな部屋は、子どもにとって特別な“秘密基地”。おもちゃや絵本が並び、毎日ワクワクできる空間です。リビングと隣接しているので、家事をしていても声や気配が届きやすく、親が安心して見守れるのも魅力です。
「生活感を隠しながら、子どもが自由に遊べる」――そんな両立を叶えてくれる工夫です。
壁に描かれた“成長の記録”
このスペースをさらに特別にしているのが、壁に残された落書き。自由に描かれた線や色は、まるで小さなアトリエのよう。大人にとっては「消したい落書き」ではなく、「振り返ると微笑ましい作品」になります。子どもの成長を感じられる記録として残せるのも大きな魅力です。
将来を見据えた“可変性”
子どもが小さいうちはキッズスペースとして活躍しますが、成長とともに役割を変えていけるのも魅力です。
- ワークスペースや書斎:リモートワークや趣味の作業部屋に
- 収納スペース:季節用品や日用品をしまう物置に
- リーディングコーナー:椅子を置いて読書を楽しむ空間に
ライフステージに合わせて柔軟に使えるので、「子どもが巣立った後に不要になる…」という心配がありません。
設計のポイントと気をつけたいこと
実際にテレビボード裏を活用する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
- 天井高と通気性の確保:狭すぎると圧迫感や熱がこもりやすいので、空気の流れを意識。
- 採光と照明:小窓や調光式照明で「落ち着くけど暗すぎない」空間に。
- 安全対策:角を少なくし、段差をなくすなど子どもに優しい設計を。
- 収納とのバランス:成長に合わせて入れ替えられる収納計画を。
- 将来の転用を想定:大人も使いやすい高さや広さを確保しておくと安心。
暮らしを豊かにする“小さな工夫”
テレビボード裏という、普段は気にも留めないスペース。そこに小さな部屋を設けることで、リビングはただの家族の集まる場所から“思い出を育む舞台”に変わります。
家づくりは、大きな間取りだけでなく「小さな工夫」の積み重ねで暮らしが変わります。見落としがちなスペースをどう活かすか――そこに設計の面白さと、暮らしの豊かさがあるのです。
まとめ
テレビボード裏の空間活用は、子どもの秘密基地としても、大人のワークスペースや収納としても使える柔軟なアイデアです。小さな工夫が家族の時間をより豊かにし、住まいの価値を高めてくれます。
💡 あなたの家だったら、この“テレビボード裏”をどう使いますか?